入院前・退院後を対象とした通院保障をランク付け!
更新日:2018年11月3日
「通院保障」の給付条件をランク付けします!
このページでは、医療保険に存在する「通院保障特約」を給付条件ごとに得点を付けてランキングにしました。
通院保障は、病気やケガを対象とした「入院前の通院」や「退院後の通院」を保障するものです。
入院給付の通院版と思っていただければわかりやすいかと思います。
少し前まではがん保険で多かった保障ですが、入院日数の短縮化に伴い、医療保険でも導入されてきています。
比較の方法
通院保障は、一言で「通院」と言っても「入院前の通院」・「退院後の通院」・「入院を伴わない通院」があります。
また、保障される日数もそれぞれ異なります。
そこで、次の4つの項目について条件ごとに点数を付けて合計得点でランキングにしました。
- 対象の傷病
- 入院前の保障の有無
- 退院後の保障対象期間
- 1保障対象期間内の保障日数
各項目5点で、5点×4項目で20点満点となっています。
なお、保障内容が複数のランクに該当する場合には、点数を合計して平均値で評価しています。
対象の傷病
対象の傷病は、全ての病気やケガを対象とするのか、特定の病気などを対象とするのかという点です。
今回はあくまで「医療保険」の通院特約という観点から、特定の病気のみを対象とするものは点数を下げました。
ランク | 点数 | 適用条件 |
---|---|---|
S | 5点 | 対象:病気・ケガ |
B | 3点 | 対象:がんのみ |
D | 1点 | 対象:ケガ(交通事故・不慮の事故) |
入院前の保障の有無
入院前の保障の有無は、入院をする前の通院のが保障対象であるかどうかです。
そもそも入院前の通院を保障しているものが少ないため、その保障の有無で得点を付けました。
ランク | 点数 | 適用条件 |
---|---|---|
S | 5点 | 入院の有無を問わず保障 |
B | 3点 | 入院を伴う場合に対象 |
E | 0点 | 対象外 |
退院後の保障対象期間
退院後の保障対象期間は、退院後何日目までの範囲の通院を保障するのかという点です。
なお、特定の疾病のみ保障対象期間を延長しているものについては、延長後の長い方を評価の対象としています。
ランク | 点数 | 適用条件 |
---|---|---|
S | 5点 | 3年間~5年間 |
A | 4点 | 1年間~3年間未満 |
B | 3点 | 181日~1年未満 |
C | 2点 | 121日~180日 |
D | 1点 | 120日 |
E | 0点 | 120日未満 |
1保障対象期間内の保障日数
1保障対象期間内の保障日数は、退院後の保障対象期間内で、何日までの通院が保障されるのかという点です。
なお、こちらも「退院後の保障対象期間」疾病によって保障期間が異なるものは、長い方で評価をしています。
ランク | 点数 | 適用条件 |
---|---|---|
S | 5点 | 無制限 |
A | 4点 | 61日~120日 |
B | 3点 | 31日~60日 |
C | 2点 | 21日~30日 |
D | 1点 | 20日 |
特約料金について
特約料金は、できるだけ1日あたり5,000円の場合で算出しましたが、一部それ以外の金額のものもあります。
(算出条件は特約料金枠下に記載しています。)
また、全ての傷病を対象とするものと、特定の疾病のみを対象とするものがあるため、特約料はランク付けには使用していません。
あくまで参考程度にご覧ください。
ランキング結果早見表
ランキング結果は以下のとおりとなっています。
医療保険を選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。
(リンクをクリックしていただくと、ランキング表の各順位に移動できます。)
医療保険の「通院保障特約」の給付条件ランキング!
18点/20点
評価項目 | 評価 | 適用条件 |
---|---|---|
対象の傷病 | B 3点 |
対象:がん |
入院前の 保障の有無 |
S 5点 |
入院の有無を問わず通院を保障 |
退院後の 保障対象期間 |
S 5点 |
5年間 |
1保障対象期間内 の保障日数 |
S 5点 |
無制限 |
年齢性別 | 特約料金 | 年齢性別 | 特約料金 |
---|---|---|---|
30歳男性 | 445円 | 30歳女性 | 490円 |
40歳男性 | 625円 | 40歳女性 | 640円 |
50歳男性 | 980円 | 50歳女性 | 825円 |
60歳男性 | 1,675円 | 60歳女性 | 1,070円 |
【特約料計算条件】通院給付5,000円の場合 終身払い
17点/20点
評価項目 | 評価 | 適用条件 |
---|---|---|
対象の傷病 | B 3点 |
対象:がん(悪性新生物) |
入院前の 保障の有無 |
S 5点 |
入院の有無を問わず保障 |
退院後の 保障対象期間 |
S 5点 |
1年間 ただし手術、放射線療法、化学療法、疼痛緩和療法による治療が必要な場合には1年ごとに延長 |
1保障対象期間内 の保障日数 |
A 4点 |
対象期間内120日まで |
年齢性別 | 特約料金 | 年齢性別 | 特約料金 |
---|---|---|---|
30歳男性 | 275円 | 30歳女性 | 320円 |
40歳男性 | 425円 | 40歳女性 | 435円 |
50歳男性 | 665円 | 50歳女性 | 535円 |
60歳男性 | 1,020円 | 60歳女性 | 655円 |
【特約料計算条件】通院給付5,000円の場合 終身払い
対象はがん(悪性新生物)のみとなる。
保障内容ががん治療に特化しており、まず保障対象期間が入院の有無は関係なく、がんと診断確定を受けた時点からとなる。
そして、それから1年が経過したのちに、放射線療法などの必要性が認められれば、そこからさらに1年ごとに延長を繰り返すことができる。
「治療」を主軸に作られており合理的。
ただ、「がん診断一時金特約」と同時にセットしないといけないため、単体で付加することができない点には注意。
15点/20点
評価項目 | 評価 | 適用条件 |
---|---|---|
対象の傷病 | S 5点 |
対象:病気・ケガ |
入院前の 保障の有無 |
E 0点 |
対象外 |
退院後の 保障対象期間 |
S 5点 |
【がん以外】 退院後180日間 【がん(悪性・上皮内)】 退院後5年間 |
退院後の 保障対象日数 |
S 5点 |
【がん以外】 対象期間内30日まで 【がん(悪性・上皮内)】 対象期間内無制限 |
年齢性別 | 特約料金 | 年齢性別 | 特約料金 |
---|---|---|---|
30歳男性 | 485円 | 30歳女性 | 475円 |
40歳男性 | 685円 | 40歳女性 | 595円 |
50歳男性 | 995円 | 50歳女性 | 775円 |
60歳男性 | 1,450円 | 60歳女性 | 1,020円 |
【特約料計算条件】通院給付5,000円の場合 非喫煙者 終身払い
がんとそれ以外の通院保障を分け、がんであれば退院後5年間日数無制限で保障が受けられる。
がん以外の傷病での通院保障日数は平均的だが、がんを厚くするのはがんの治療方針に合っており良い。
ただ、特約料はタバコを吸わない場合のものだが、それでも特段やすいというわけではないというのが気になるところ。
15点/20点
評価項目 | 評価 | 適用条件 |
---|---|---|
対象の傷病 | S 5点 |
対象:病気・ケガ |
入院前の 保障の有無 |
E 0点 |
対象外 |
退院後の 保障対象期間 |
S 5点 |
【がん以外】 退院後180日間 【がん(悪性・上皮内)】 退院後5年間 |
1保障対象期間内 の保障日数 |
S 5点 |
【がん以外】 対象期間内30日まで 【がん(悪性・上皮内)】 対象期間内無制限 |
年齢性別 | 特約料金 | 年齢性別 | 特約料金 |
---|---|---|---|
30歳男性 | 294円 | 30歳女性 | 315円 |
40歳男性 | 420円 | 40歳女性 | 408円 |
50歳男性 | 645円 | 50歳女性 | 542円 |
60歳男性 | 1,008円 | 60歳女性 | 771円 |
【特約料計算条件】通院給付3,000円の場合 終身払い
対象は入院給付金が支払われる全ての病気やケガとなるが、がんについては個別に通院保障が特に手厚くなっている。
年々がんの通院治療が増えていることを考えると実態に合った内容。
入院前の通院保障は無いが、がんの通院保障が5年間続くことを考えると、入院前保障がないことはさほど問題ないだろう。
14点/20点
評価項目 | 評価 | 適用条件 |
---|---|---|
対象の傷病 | S 5点 |
対象:病気・ケガ |
入院前の 保障の有無 |
B 3点 |
入院を伴う場合に対象 (入院前60日間) |
退院後の 保障対象期間 |
A 4点 |
【三疾病以外】 退院後180日間 【三疾病※】 退院後730日間 |
退院後の 保障対象日数 |
C 2点 |
【三疾病以外】 対象期間内30日まで 【三疾病※】 対象期間内30日まで |
※三疾病:がん、心疾患、脳血管疾患
年齢性別 | 特約料金 | 年齢性別 | 特約料金 |
---|---|---|---|
30歳男性 | 234円 | 30歳女性 | 291円 |
40歳男性 | 384円 | 40歳女性 | 348円 |
50歳男性 | 684円 | 50歳女性 | 549円 |
60歳男性 | 1,131円 | 60歳女性 | 828円 |
【特約料計算条件】通院給付5,000円の場合 終身払い
入院を伴う通院を対象として、退院後だけではなく、入院前60日間の間の通院も保障対象となる。
がん・心疾患・脳血管疾患は退院後の対象期間が延長される点がポイント。ただし、保障される日数自体は30日から増えない点は残念。
なお、がんの通院のみを保障する「がん通院特約」も存在する。
そちらは、入院前60日・退院後180日を対象に、45日間まで保障されるが、がんの通院保障としては物足りないと感じる。
11.5点/20点
評価項目 | 評価 | 適用条件 |
---|---|---|
対象の傷病 | B 3点 |
対象:がん(悪性・上皮内) |
入院前の 保障の有無 |
E 0点 |
対象外 |
退院後の 保障対象期間 |
A++ 4.5点 |
対象期間:退院後1年間 所定の手術、放射線治療、抗がん剤治療などは無制限 |
1保障対象期間内 の保障日数 |
A 4点 |
対象期間内60日まで 所定の手術、放射線治療、抗がん剤治療などは無制限 |
年齢性別 | 特約料金 | 年齢性別 | 特約料金 |
---|---|---|---|
30歳男性 | 205円 | 30歳女性 | 235円 |
40歳男性 | 300円 | 40歳女性 | 320円 |
50歳男性 | 465円 | 50歳女性 | 375円 |
60歳男性 | 765円 | 60歳女性 | 415円 |
【特約料計算条件】通院給付5,000円の場合 終身払い
がんのみを対象とした通院保障。
入院前の保障は無いが、一度入院した後の通院であれば、放射線治療や抗がん剤治療は無制限で保障が受けられることでその点をカバーしている。
特約料は割安ではあるが、この特約は「三大疾病一時金」か「がん診断一時金」とセットでないと付けることができない。
あくまで、新CUREで新規にがんに備える場合には付けたい特約だといえる。(既存のがん保険の上乗せで使いたい場合には、一時金特約が被ってしまう。)
11点/20点
評価項目 | 評価 | 適用条件 |
---|---|---|
対象の傷病 | S 5点 |
対象:病気・ケガ |
入院前の 保障の有無 |
B 3点 |
入院を伴う場合に対象 (入院前60日間) |
退院後の 保障対象期間 |
D 1点 |
退院後120日間 |
1保障対象期間内 の保障日数 |
C 2点 |
対象期間内30日まで |
年齢性別 | 特約料金 | 年齢性別 | 特約料金 |
---|---|---|---|
30歳男性 | 450円 | 30歳女性 | 465円 |
40歳男性 | 565円 | 40歳女性 | 535円 |
50歳男性 | 910円 | 50歳女性 | 820円 |
60歳男性 | 1,435円 | 60歳女性 | 1,240円 |
【特約料計算条件】通院給付5,000円の場合 終身払い
入院を伴う場合に、入院前60日間にした通院も対象となる。
がんでの保障上乗せはないが、入院前の通院も対象となることを考えると、医療保険の通院保障としては充実しているものだといえる。
ただし、退院後の対象期間は120日までとやや短め。
9点/20点
評価項目 | 評価 | 適用条件 |
---|---|---|
対象の傷病 | B 3点 |
対象:がん(悪性・上皮内) |
入院前の 保障の有無 |
E 0点 |
対象外 |
退院後の 保障対象期間 |
B 3点 |
1年間 |
1保障対象期間内 の保障日数 |
B 3点 |
対象期間内60日まで |
年齢性別 | 特約料金 | 年齢性別 | 特約料金 |
---|---|---|---|
30歳男性 | 280円 | 30歳女性 | 260円 |
40歳男性 | 410円 | 40歳女性 | 360円 |
50歳男性 | 600円 | 50歳女性 | 440円 |
60歳男性 | 880円 | 60歳女性 | 480円 |
【特約料計算条件】通院給付10,000円の場合 終身払い
対象はがん(悪性・上皮内)のみとなる。
医療保険の通院給付としてみれば退院後の保障日数は充実している方だが、がん用としては保障対象期間が5年のものであったり、保障日数無制限であるものもあるため、それと比較するとやや物足りない。
給付日数は10,000円となるがその割には特約料は安価となっている。
9点/20点
評価項目 | 評価 | 適用条件 |
---|---|---|
対象の傷病 | S 5点 |
対象:病気・ケガ |
入院前の 保障の有無 |
E 0点 |
対象外 |
退院後の 保障対象期間 |
C 2点 |
退院後180日間 |
1保障対象期間内 の保障日数 |
C 2点 |
対象期間内30日まで |
年齢性別 | 特約料金 | 年齢性別 | 特約料金 |
---|---|---|---|
30歳男性 | 246円 | 30歳女性 | 222円 |
40歳男性 | 348円 | 40歳女性 | 294円 |
50歳男性 | 534円 | 50歳女性 | 399円 |
60歳男性 | 822円 | 60歳女性 | 582円 |
【特約料計算条件】通院給付3,000円の場合 終身払い
入院給付金が支払われるすべての病気やケガを対象とした通院給付。
入院前の保障がなく、退院後30日まで保障という医療保険では平均的な内容。
8点/20点
評価項目 | 評価 | 適用条件 |
---|---|---|
対象の傷病 | S 5点 |
対象:病気・ケガ |
入院前の 保障の有無 |
E 0点 |
対象外 |
退院後の 保障対象期間 |
D 1点 |
退院後120日間 |
1保障対象期間内 の保障日数 |
C 2点 |
対象期間内30日まで |
年齢性別 | 特約料金 | 年齢性別 | 特約料金 |
---|---|---|---|
30歳男性 | 335円 | 30歳女性 | 305円 |
40歳男性 | 460円 | 40歳女性 | 375円 |
50歳男性 | 655円 | 50歳女性 | 495円 |
60歳男性 | 955円 | 60歳女性 | 675円 |
【特約料計算条件】通院給付5,000円の場合 終身払い
退院後のみを対象としており、1回の通院に対して入院給付日額と同額の給付が受けられる。
1回の通院期間あたり30日まで保障するという平均的な内容。
ただ、1回の通院期間が120日までとやや短めである点は残念。
重要性を増す「通院保障」は付けておきたい
最低限「がん」に備える通院保障は付けておきたい
ご覧いただいたとおり、通院保障も各社で内容が大きく異なります。
特に、そもそもの対象としている疾病が、全ての傷病を対象とするものと、がんのみを対象とするものに分かれています。
何故「がん」のみを対象としているものがあるのかというと、がんは入院主体の治療から、通院主体の治療へと切り替わってきているからです。
また、がんの場合は、り患した部位を摘出したあとも、完治となる5年まで通院により治療を続ける必要があります。
そうした理由から、他の疾病に比べて通院機関が長くなるため、特にがんのみを対象とする通院保障が存在します。
そのため、通院保障を考える場合には、最低限「がん」を保障してくれるものは付けておきたいです。
通院保障のある医療保険はどう選んで行けば良い?
もし、すでにがん保険に入っていて、そのがん保険に十分な通院保障がある場合には、医療保険で通院保障を付けなくてもさほど問題ありません。
ただ、まだ通院保障の付いた保険が1つもない場合には、最低限通院保障が付いた医療保険の中から加入を検討したいです。
厚生労働省が発表している3年ごとの統計を見ると、ほとんどの疾病で毎回入院日数が短縮化されています。
おそらく、今後も治療の主体が入院から通院へと移っていく流れは変わらないでしょう。
そのため、これから医療保険を選ぶのであれば、ぜひ通院保障があるものの中から選んで行きたいです。
特に、特約を使って医療保険だけでがん保険も兼ねる場合には、通院保障を付けることは強くおすすめします。
ぜひ、総合的な保障内容に加えて、通院保障の内容も比較して医療保険を選んでみて下さい。
このページが、良い医療保険選びのお役に立てば幸いです。
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対象はがんのみとなるが、通院給付に関しては多くのがん保険が顔負けなほど手厚い保障内容となっている。
初めてがんと診断された後5年までと、5年経過後にさらにがんと診断された場合もそこから5年間の保障が受けられる。
ただ、保障内容が手厚い分50代になってくると特約料は高くなってくるため、負担感の少ない若い内に加入しておきたい。