入院時に力を発揮する医療保険!
医療保険は入院時のお助け保険!
保険は普段使わないに越したことはありません。
でも、いざという時のために、全く備えがないのも危険です。
いざというときはある日急にやってきます。
- 急な体調不良
- 急なケガ
こうした理由から、急きょ入院を迫られるときもあります。
そんないざという時に力を発揮するのが医療保険です。
医療保険は私自身が実際に悩みに悩んで加入した保険の1つでもあります。
医療保険は、保障される内容や付加できる特約が多いため、一見複雑に思えます。
ですが、基本的な部分を抑えてしまえば簡単に他の医療保険と比較検討することができます。
このページでは、医療保険はどんな仕組みでできているのか、そして、どの部分を重視してみていけば良いのか、という点を説明します。
医療保険で見るべきポイントは3つ!
医療保険を見る際に注意したい点は3つ
医療保険は入院時の保険です。
そのため、保障内容を見る際には、入院時にどのような保障が受けられるかを見ていくことになります。
その中でも、特に注意してみていきたい点は3つあります。
- 入院給付
- 手術給付
- 特約保障
1.入院給付
入院給付とは、入院した際に1日あたりに支払われる給付金のことです。
「日額給付」とも言います。
医療保険の最も基本となる保障であり、「基本保障」としてほぼすべての医療保険で標準の保障となっています。
入院給付は次の2点により、保障の厚さが変わってきます。
- 給付金額
- 最高保障日数
給付金額の内容
給付金額とは、入院1日当たりに支払われる金額の事です。
多くの医療保険で最低5,000円となっています。
それ以上はおおむね10,000円までで設定することが多いです。
ただ、中には20,000円程度まで設定できる場合もあります。
しかし、そこまで行ってしまうと保険料も高額になるため、現実的ではありません。
最高保障日数
最高保障日数とは、1回の入院で何日までが保障対象となるのかというものです。
これは多くの保険が少なくとも60日間までとなっています。
その他、短いものでは30日、長いものでは120日までや、360日というものまであります。
また、保険会社によっては、がん、心筋梗塞及び脳卒中と言った特定の疾病の場合には保障日数無が制限になる等の違いがあります。
そして当然ですが、保障日数を伸ばして手厚くすればするほど保険料は高額になります。
そのため、社会保険の保障状況と照らし合わせながら、自分に合った日数にすることが大切です。
手術給付
手術給付とは、手術を受けた場合に保険金が支払われるものです。
こちらも、入院給付と合わせてほとんどの医療保険で基本保障となっています。
この手術給付で見るべきは、手術内容を問わず給付金が一律であるかどうかです。
手術給付には大きく分けて2つの保障のタイプがあります。
1つ目は、どの手術でも一律同じ金額の保険金が支払われるタイプです。
こちらは、入院中の手術なら入院給付の20倍、外来での手術なら5倍というような金額設定がされています。
2つ目は、手術の種類によって給付金額が変わるタイプです。
この場合は、手術の難易度により給付金額が変わります。
具体的には、手術の内容により入院給付に対して次の倍率で手術給付金が支払われます。
- 5倍
- 10倍
- 20倍
倍率が設定されている場合、高倍率の手術は難病の手術である場合がほとんどです。
そのため、いざ保険金を請求したら「思ったより給付金が少なかった」となることもあり得ます。
こうした理由から、一律で同じ保険金が支払われる医療保険に入るのがおすすめです。
特約保障
医療保険では、上の2つが最も基本的な保障となります。
その他の保障については、特約保障として自分で設定することができます。
特約保障とは、基本保障のように必ず付加されている保障ではなく、必要であれば自分で追加することができる保障です。
特約保障で必ず設定すべきなのは「先進医療特約」です。
先進医療特約とは、厚生労働大臣が指定した先進医療を受けた際に、その治療費分の実費が支払われる特約です。
先進医療は、健康保険が適用にならないため全額自己負担となります。
治療費は、高額なものだと1回で200万円を超えるものもあります。
例えば、がん治療のための陽子線治療では自己負担が2,883,000円となっています。
【参考】独立行政法人国立がん研究センター『先進医療』
こうした先進医療を受けることになった際に困らないよう、先進医療特約は必ず必要です。
その他の特約を付けるかどうかは必要の範囲内で
紹介した以外の特約はどうする?
以上の3つが、医療保険加入時にしっかりと比較しておけば間違いのないポイントです。
これら3つを見ることで、その医療保険の特徴がつかめます。
もちろん、上記の3つ以外にも様々な特約や保障は存在します。
しかし、それらは保険会社独自のものであることが多く、全社での比較対象にはなりません。
そのため、必要に応じて、自分に必要かどうかを見ていくと良いでしょう。
ただ、比較的多くの保険会社に存在する「よくある特約事項」もあります。
よくある特約事項
保険会社での設定が多い、よくある特約事項としては次のようなものがあります。
- 放射線治療特約 : 放射線治療を受けた場合に給付金が出る
- 通院保障特約 : 治療のために通院した際に給付金が支払われる
- がん一時金特約 : がんと診断確定を受けた際にまとまった一時金が支払われる
- 生存祝い金特約 : 加入数年間後に生存していたら祝い金が出る
- 死亡給付金特約 : 死亡時に遺族に一時金が支払われる
この中だと、後者2つの特約(祝い金、死亡給付金)については加入をおすすめしません。
理由は、その分自分が支払う保険料が高くなるからです。
それらのようなまとまったお金が支払われる保障は、あくまで自分が払い込んだお金を後から受け取っているにすぎません。
そのため、前もってお金を貯めておくために保険料が高額になりがちです。
保険はあくまで、自分にとって必要最低限なものにしておくことが大切です。
後々支払えなくなり、生活を圧迫してしまっては本末転倒です。
最近増えてきた「通院保障」とは?
通院の保障も重要になってきた
上の特約の部分でも少し触れましたが、ここ数年「通院保障」が付く医療保険が増えてきています。
通院保障とは、入院前や退院後に病気やケガを通院で治療する場合に給付金が支払われるものです。
こうした通院保障はここ数年になって急激に増えてきました。
その理由は、入院日数が短くなってきているからです。
そして、入院が短くなっている代わりに、通院で治療を行うようになってきています。
入院日数はどのくらい?
実際に入院日数が減少しているのは、統計データを見れば明らかです。
対象年度 | 平成14年 | 平成17年 | 平成20年 | 平成23年 |
---|---|---|---|---|
新生物(がん) | 28.9日 | 24.6日 | 22.4日 | 19.5日 |
内分泌・代謝疾患 | 37.4日 | 31.5日 | 32.0日 | 29.4日 |
循環器系の疾患 | 58.3日 | 56.0日 | 52.7日 | 45.3日 |
消化器系の疾患 | 22.0日 | 19.4日 | 14.6日 | 12.9日 |
【出典】厚生労働省『患者調査』
このように、多くの疾病の入院日数が減少しています。
入院日数が短くなったのは、それまで完治するまで入院していたものが、早めに退院させて自宅療養した上で、定期的に通院して治療をするという治療方法に変わってきているからです。
これにより、病院のベッドの空きがないという状況の改善につながっています。
こうした通院で治療をしていくという方針は、今後もさらに促進していくと考えられます。
そのため、通院時の保障が重要になってくるわけです。
通院保障はまだメインの保障ではない
注意が必要なのは、通院保障は、多くの医療保険でまだ基本保障ではなく特約保障であることがほとんどだということです。
そのため、備えたい場合には、しっかりと特約保障を付けておく必要があります。
医療保険を検討する際には、特約保障に通院保障があるかどうか、また契約時にはつけ忘れていないかをしっかりと確認しましょう。
なお、がん保険にも通院保障は存在します。
通院保障についてはがん保険の方が進んでおり、基本保障になっているものもあります。
がん保険で通院保障を付けている場合には、医療保険でも付けるとがんで通院する際に保障が重複してしまいます。
もちろんその分保障は厚くなりますが、通院保障が2つ必要であるかどうかを特約料金を見ながら検討しましょう。
医療保険を選ぶ際には各社をしっかりと比較してみましょう
ここまでご紹介した点が、医療保険を選ぶ際に特によく見ておきたいポイントです。
これらの点をふまえた上で医療保険を見比べてみると、医療保険の違いが見えてきます。
そうした違いが見えてくれば、後は保険料や必要な特約の有無を比較して、加入したい医療保険を選ぶことができます。
ぜひ、基本的な仕組みをおさえた上で、さまざまな医療保険を見比べてみてくださいね。
知っておくと安心な医療保険選びのポイント!
入院給付日数は60日?120日?
医療保険で選ぶことになるポイントの1つが入院日数です。厚生労働省の統計調査を踏まえて、入院日数をどう考えていけば良いかを説明します。