重要性が増す「がん通院保障」の評価条件
・更新日:2019年2月2日 ・公開日:2017年7月13日
このページでは、がん保険の保障として増えてきている「通院保障」をランキング形式でご紹介します。
がんは入院メインで治療を行う方法から、早期退院後に通院して放射線治療や抗がん剤治療を行うような治療方法へと変化してきています。
そのため、通院保障を主契約や特約で準備しているがん保険が増えてきました。
ただし、一言で「通院保障」と言っても、がん保険ごとにその保障条件は大きく異なります。
せっかくがん保険で通院保障を選ぶのであれば、できるだけ条件が良いものを選びたいです。
比較の方法
通院保障は、一言で「通院」と言っても「入院前の通院」・「退院後の通院」・「入院を伴わない通院」があります。
また、保障される日数もそれぞれ異なります。
そこで、通院保障で違いが出ることが多い次の3つの項目について、条件ごとに点数を付けて合計得点でランキングにしました。
- 通院保障のタイプ
- 通院保障の保障対象期間
- 1保障対象期間内の保障日数
各項目5点で、5点×3項目で15点満点となっています。
通院保障のタイプ
通院保障のタイプとは、通院保障の対象となる通院をどのようなものと定義しているのかという点です。
基本的には、対象となる通院を決めるにあたり、入院が関係しているのかどうかという点を重視してみています。
ランク | 点数 | 適用条件 |
---|---|---|
S | 5点 | 入院の有無を問わず保障 (診断確定後の通院が保障対象) |
B | 3点 | 入院前と退院後の通院を保障 |
D | 1点 | 退院後の通院を保障 |
通院保障の保障対象期間
「通院保障の保障対象期間」とは、通院保障が開始されてから何日目までの範囲の通院が保障対象になるのか、というポイントです。
なお、入院前・退院後でそれぞれ保障対象期間が決められている場合には、それらを合計して判断します。
ランク | 点数 | 適用条件 |
---|---|---|
S | 5点 | 5年間 または 治療継続中は無制限に延長 |
A | 4点 | 1年間~5年間未満 |
B | 3点 | 181日~1年未満 |
C | 2点 | 121日~180日 |
D | 1点 | 120日 |
E | 0点 | 120日未満 |
1保障対象期間内の保障日数
1保障対象期間内の保障日数は、上記の「通院保障の保障対象期間」内で、何日分までの通院が保障されるのかという点です。
なお、入院前・退院後でそれぞれ保障日数が設定されているものは通算して計算します。
ランク | 点数 | 適用条件 |
---|---|---|
S | 5点 | 保障対象期間内の制限なし |
A | 4点 | 121日~180日間 |
B | 3点 | 61日~120日間 |
C | 2点 | 60日間 |
D | 1点 | 45日間 |
ランキング結果の「+」や「-」表記について
ランキング表内で「+」や「-」を付けているものがあります。
これは、保障内容が複数のランキング条件に該当する場合に、複数のランキング条件を足してその平均値を求めて小数点以下が出た場合にその調整用につけています。
「+」または「-」1個につき、0.25点の調整を意味しています。
ランキング結果早見表
ランキング結果は以下のとおりとなっています。
なお、同順位のものについては「通院保障のタイプ」の条件が良い方を上位としています。
(リンクをクリックしていただくと、ランキング表の各順位に移動できます。)
がん治療の通院化への備え「がん通院保障」ランキング
15点/15点
評価項目 | 評価 | 適用条件 |
---|---|---|
保障のタイプ | S 5点 |
入院の有無を問わず保障 (診断確定後の通院が保障対象) |
通院保障の 保障対象期間 |
S 5点 |
がんと診断確定後5年間 (5年経過後、再発・入院で再度5年関保障される) |
1保障対象期間内 の保障日数 |
S 5点 |
保障対象期間内の制限なし |
13点/15点
評価項目 | 評価 | 適用条件 |
---|---|---|
保障のタイプ | S 5点 |
入院の有無を問わず保障 (診断確定後の通院が保障対象) |
通院保障の 保障対象期間 |
S 5点 |
診断確定後5年間 |
1保障対象期間内 の保障日数 |
B 3点 |
1年ごとに120日間 |
勇気のお守りでは、がんと診断された後の通院が対象となり、入院を伴わなくても保障対象となる。
また、保障対象期間は1年間だが、1年経過後に継続治療が必要と判断されたら保障期間が1年ごとに無制限で延長されるため、安心感がある。
更に、延長しなかったとしても、その後治療の必要性が認められればそこからさらに1年間保障が開始される。
このように、治療の必要性がある場合には事実上期間無制限で通院が保障されるため、通院治療に対してかなり手厚い保障内容となっている。
なお、通販専用プランの「勇気のお守りソレイユ」の通院保障も同じ内容となっている。
11点/15点
評価項目 | 評価 | 適用条件 |
---|---|---|
保障のタイプ | S 5点 |
入院の有無を問わず保障 (診断確定後の通院が保障対象) |
通院保障の 保障対象期間 |
A 4点 |
1年間 |
1保障対象期間内 の保障日数 |
C 2点 |
対象期間内60日まで |
ガードエックスでは、診断確定後の通院が保障される。
あくまで「診断確定後」が条件となるため、入院の有無に関係なくすべての通院が保障される
保障対象期間は診断確定後1年間であり、その1年間のうちの60日分の通院が保障されるようになる。
保障対象期間は1年までとなるが、手術・放射線治療・抗がん剤治療を受けた場合のまとまった治療給付金が別途主契約で用意されているため、事実上は治療給付金が通院治療も兼ねるようになる。
11点/15点
評価項目 | 評価 | 適用条件 |
---|---|---|
保障のタイプ | B 3点 |
入院前と退院後の通院を保障 |
通院保障の 保障対象期間 |
A 4点 |
1年間 |
1保障対象期間内 の保障日数 |
A 4点 |
入院前:60日間 退院後:120日間 |
保険のプロから人気が高く、当サイトでもおすすめの「終身ガン治療保険プレミアム」の通院保障は、保障内容としては良い方のものとなっている。
入院前後が保障対象となり、退院後1年間の通院までが保障対象範囲となる。
5年間や無制限で保障するものに比べれば物足りないが、この保険の主契約の「治療給付」では、通院で治療を受ければ1か月単位で10~30万円程度のまとまった給付を受けることができる。
治療給付の方は保障期間の制限はなく、回数も無制限保障であるため、治療給付が通院保障も兼ねているともいえる。
そのため、通院で受けられる給付という観点でこの保険を見てみると、通院の保障はかなり手厚くなっている。
10.5点/15点
評価項目 | 評価 | 適用条件 |
---|---|---|
保障のタイプ | D 1点 |
退院後の通院を保障 |
通院保障の 保障対象期間 |
A++ 4.5点 |
対象期間:退院後1年間 所定の手術、放射線治療、抗がん剤治療等は無制限 |
1保障対象期間内 の保障日数 |
D 5点 |
対象期間内で無制限保障 |
アフラックの新生きるためのがん保険Daysでは、退院後の通院のうち「診察や検査を受けるための通院」は1年間の保障となる。
また、その1年間の間の通院は日数無制限で保障される。
ただそれとは別に、手術・放射線治療・抗がん剤治療を受けるための通院は期間制限なく保障が受けられる。そのため、通院治療が長引いた場合でも安心感がある。
この通院保障はオリックス生命の「ビリーブ」と同様の仕組みとなっているが、こちらは退院後1年間の間の保障に日数制限が無いため内容的には充実している。
なお、かんぽ生命が扱う「Days JPオリジナルプラン」も同様の保障条件となっている。(ただし、JPオリジナルプランは給付金額が少ない。)
9点/15点
評価項目 | 評価 | 適用条件 |
---|---|---|
保障のタイプ | D 1点 |
退院後の通院を保障 |
通院保障の 保障対象期間 |
A++ 4.5点 |
対象期間:退院後1年間 所定の手術、放射線治療、抗がん剤治療等は無制限 |
1保障対象期間内 の保障日数 |
B++ 3.5点 |
対象期間内60日まで 所定の手術、放射線治療、抗がん剤治療等は無制限 |
保障対象は退院後の通院のみとなり、入院前の通院は保障対象とならない点は残念。
なお、保障対象は2つの種類に分けられ、退院後の診察や検査などの通院は退院後1年間が保障対象期間となるが、所定の手術・放射線治療(温熱療法)・抗がん剤治療目的で通院した場合には、期間の制限なく保障対象となる。
そのため、長期的に治療が必要な場合には長期間保障される点は安心感がある。
7点/15点
評価項目 | 評価 | 適用条件 |
---|---|---|
保障のタイプ | B 3点 |
入院前と退院後の通院を保障 |
通院保障の 保障対象期間 |
B 3点 |
入院前:60日間 退院後:180日間 |
1保障対象期間内 の保障日数 |
D 1点 |
対象期間内45日まで |
がん治療支援保険NEOでは、入院を挟んでその前後の通院が保障対象となっている。
ただ、退院後の保障対象期間が180日間と短く、また保障日数も入院前後で45日までと短めの設定となっている。
手術・放射線治療・抗がん剤治療を対象とした治療給付があるため、そちらが通院保障を兼ねはするが、それでも通院保障としてはやや物足りない。
7点/15点
評価項目 | 評価 | 適用条件 |
---|---|---|
保障のタイプ | D 1点 |
退院後の通院を保障 |
通院保障の 保障対象期間 |
A 4点 |
365日間 |
1保障対象期間内 の保障日数 |
C 2点 |
対象期間内60日まで |
こだわりガン保険では、退院後の通院のみが保障対象となり、入院前の通院は保障されない。
保障対象期間は1年間と短い方ではないが、他に治療給付なども付いていないことからちょっと物足りなさを感じる内容となっている。
ただ、別途特約で手術・放射線治療および抗がん剤治療を受けた場合の治療給付があり、そちらで最高で60回まで給付が受けられるため、通院期間が1年を超えた場合の保障はそちらが兼ねるようになる。
「通院保障」か「治療保障」は付けておきたい
ご覧いただいたように、がんの通院保障に関しては各社で保障の条件が異なっています。
がんと診断された後5年間の通院が保障対象となるものもあれば、退院後半年程度の通院のみが保障対象となるものもあります。
せっかくがん保険で通院保障を付けるのであれば、長期間の通院にも備えられるものを付けておきたいです。
そうすることで、万一長期の通院治療が必要となった場合でも金銭的な負担を軽減することができます。
治療保障で代用するという方法もある
なお、通院保障に代わって、「治療保障(治療給付)」を付けるという方法もあります。
「治療保障」は、がん保険ごとに若干内容が異なりますが、入院・通院を問わず次のような所定の治療を受けた場合に10~30万円程度のまとまった給付が受けられるものです。
- 所定の手術
- 放射線療法(温熱治療含む)
- 薬物療法(抗がん剤治療・ホルモン剤治療)
がん治療では、通院して「放射線療法」と「薬物療法」で治療を行うことが増えてきています。
通院保障は、こうした通院治療を保障するためのものですが、治療給付でも代用することができます。
ただし内容は通院保障と全くイコールではない
ただし、通院保障は通院1日当たりの保障になるのに対し、治療保障は1か月~1年単位での保障となっています。
また、治療給付では、診察や検査のための通院は保障されません。
このような違いはありますが、どちらを選んでも通院には備えることが可能です。
なお、治療給付タイプのがん保険については、がん保険ランキングのページでアイコンを付けてご紹介しています。
がん保険を選ぶ際には、ぜひ通院保障か治療保障、またはその両方を付けるかどうかという観点でも検討してみてくださいね。
がん保険加入前に知っておいてほしいポイント!
私ががん保険を専門家に相談した理由
私はがん保険に入る前に複数の専門家に相談してから加入しました。その理由と、それで実感したがん保険選びで専門家に相談するメリット・デメリットを紹介します。
がん保険の相談・加入には何が必要?
がん保険の相談する場合や、その後に加入申し込みをする際に持って行く必要がある持ち物があります。どんなものが必要になるのか具体的にご紹介します。
がん保険の告知のポイント!
がん保険申込み時には健康状態の告知が必要となります。ただ、医療保険とは告知を行う場合の注意点に違いがあります。がん保険での告知のポイントを紹介します。
全部使ってみた!保険相談ランキング!
私と妻が実際に相談を行った複数の無料保険相談サービスを比較してランキングにまとめました。プレゼントキャンペーンを行っている保険相談も紹介します!
新ガン保険αの通院保障は理想的な内容となっている。
まず、保障対象期間が5年と長く、5年経過後も再発・転移・新たな「がん」が見つかった場合、またはがん治療を目的として入院した場合には再度5年間の通院保障を受けることができる。
保障対象期間のがん治療のための通院が日数制限なく保障されるため、通院保障としては15点満点の内容となっている。