がん保険やがん特約で上皮内新生物への備えは必要?罹患割合を基にご説明します

がん保険で「悪性新生物」と「上皮内新生物」の違いは意識した方が良い?

悩む男性

 

がん保険の保障を見ていると、「上皮内がん」でも同じ保障が受けられることを強調しているものがあることが分かりました。

 

「悪性新生物」と「上皮内がん」の2つがあることは分かったんですが、上皮内がんへの備えは重要なんでしょうか?


 

こんにちは!
ファイナンシャルプランナー兼サラリーマンのFP吉田です。

 

がん保険や、医療保険のがん特約では、初期がんである「上皮内新生物(上皮内がん)」への保障の厚さを売りにしているものがあります。
特に、通常のがんである「悪性新生物」と比べて保障の違いが出やすいのは、がんと診断されたときの「がん診断一時金」です。

 

さて、上皮内新生物への備えですが、私は悪性新生物と同じ保障が受けられるのが理想だと考えています。
その理由は、上皮内新生物の罹患者は多くの人が思っているよりも多いからです。
そのため、せっかくがん保険に入るのなら、しっかりと備えておいた方が良いと考えています。

 

このページでは、悪性新生物と上皮内新生物で違いが出やすい「がん診断一時金」の選び方や、「悪性新生物」と「上皮内新生物」の罹患者数をご紹介します。
それでは、はじめましょう!

 

「がん診断一時金」での悪性新生物と上皮内新生物による保障の違い

診断一時金では悪性か上皮内かで違いが出やすい

診断一時金での違いの説明

がん保険にはさまざまな保障がありますが、その中でも「悪性新生物」と「上皮内新生物」で保障内容に差が出るのが、がん診断一時金です。

 

がん診断一時金は、がんと診断確定された時点で、100万円等のまとまったお金が給付されるものです。
治療を始める前の診断時点で給付されるため、それ以後の治療の準備などに使うことができます。

 

このがん診断一時金では、「悪性新生物」と「上皮内新生物」で給付条件が全く異ならないものがある一方で、給付額などに大きな差があるものもあります。
差があるものの場合では、次の2つの点で違いが出やすいです。

  1. 給付回数
  2. 給付金額

 

違い1給付回数

違いの例
・悪性:複数回給付
・上皮内:1回のみ給付

給付回数で違いが出る場合には、上皮内新生物と診断された場合に給付回数が少なくなります。

 

診断一時金は、前回受け取ってから2年程度経過した後に、再びがんと診断確定を受けたり入院したりすれば再給付を受けられることが多いです。
しかし、一部の診断一時金では、上皮内新生物の場合は受け取りが1回のみとされているものもあります。

 

違い2給付金額

違いの例
・悪性:100万円給付
・上皮内:10万円~50万円給付

給付金額で違いが出る場合には、上皮内新生物と診断時の給付金額が少なくなります。

 

給付金額が少なくなる場合には、悪性新生物の10%~50%程度の金額となります。
全く保障されないわけではありませんが、給付金額を10%程度まで減らされてしまうのはかなり厳しいと言えます。

実際のところ上皮内新生物の罹患割合はどのくらいなのか?

上皮内新生物罹患者の割合を性別・部位別で紹介

がん検査を受ける男性

ここからは、がんの種類ごとに悪性新生物と上皮内新生物の罹患者数の割合を性別ごとに紹介します。

 

なお、ここでご紹介するデータは、国立がん研究センターがん情報サービス『がん登録・統計』の全国がん罹患モニタリング集計(2012年)の結果を基に、当サイトが算出したものです。

 

男性の場合

男性の場合には、次の3つの部位に関するデータをご紹介します。

  • 全部位
  • 大腸

 

部位 全体罹患者数 上皮内新生物 悪性新生物
人数 割合 人数 割合
全部位 543,216人 39,246人 7.2% 503,970人 92.8%
77,006人 93人 0.1% 76,913人 99.9%
大腸 100,628人 23,263人 23.1% 77,365人 76.%

 

以上のデータをグラフにしてみると、次のようになります。

男性の部位別 悪性・上皮内新生物罹患率

男性の部位別悪性・上皮内罹患率

 

女性の場合

女性の場合には、次の6つの部位に関するデータをご紹介します。

  • 全部位
  • 大腸
  • 乳房
  • 子宮
  • 子宮頚部

 

部位 全体罹患者数 上皮内新生物 悪性新生物
人数 割合 人数 割合
全部位 407,341人 46,073人 11.3% 361,268人 88.7%
36,231人 97人 0.3% 36,134人 99.7%
大腸 68,291人 11,081人 16.2% 57,210人 83.8%
乳房 82,773人 8,776人 10.6% 73,997人 89.4%
子宮 46,829人 21,611人 46.1% 25,218人 53.9%
子宮頚部 32,519人 21,611人 66.5% 10,908人 33.5%

 

以上のデータをグラフにしてみると、次のようになります。

女性の部位別 悪性・上皮内新生物罹患率

女性の部位別悪性・上皮内罹患率

 

男性は「大腸」、女性は「子宮」の上皮内新生物が多い

ご紹介したデータを見てみると、部位によっては上皮内新生物の割合が高いものもあることが分かります。

 

男性では、大腸で上皮内新生物の割合が23.1%と高くなっています。

 

女性は、子宮で上皮内新生物の割合が46.1%と高くなっています。
また、子宮頚部(子宮頸がん)では上皮内新生物の割合が66.5%とかなり高いです。

 

この数値を見てみてどうでしょうか?
特に、女性の子宮と子宮頚部の数値は、おそらく想像以上に高いと感じられるのではないかと思います。

女性は特に上皮内新生物への保障はしっかり付けておきたい

上皮内新生物への備えは重要

FP吉田のポイント説明

ここまで見ていただいたとおり、部位によってはがん罹患者のうち、上皮内新生物の割合がかなり高いものもあります。

 

特に女性は50%を超える部位もあり、かなり高くなっています。
また、男性も大腸では全体の約1/4と高めの数値です。

 

上皮内新生物も、がんであることに変わりはありません。
そのため、上皮内新生物への備えは重要です。

 

診断一時金を要チェック

がん保険での上皮内新生物の扱いについては、特に診断一時金をよく確認してみてください。

 

診断一時金では、できるだけ悪性新生物と給付回数や給付額が変わらないものを選びましょう。
悪性新生物との扱いに多少差がある場合でも、給付回数が1回のみであるものや、金額が50%以下になるものは避けたいです。

 

がん保険選びでは保険料も1つ重要な要素ではあります。
ただ、安いがん保険では上皮内新生物の保障内容を少なくすることで、保険料の安さを実現しているものもあります。

 

そのため、がん保険を保険料で比較する際には、安さだけを見るのではなく、必ず上皮内新生物の保障内容も確認することが大切です。
ぜひ、上皮内新生物への備えもしっかりと確保できるがん保険を選んでみてくださいね。

 





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