がん保険の診断給付金は必要?
がん保険を検討していく中で、ほとんどのがん保険に診断給付金保障があることが分かりました。
ただ、診断給付金の金額を増やすと結構保険料が高くなってしまって困っています。
がんになった時にまとまったお金を受け取ることができるのは便利だと思うんですが、必要な保障なんでしょうか?
こんにちは!
ファイナンシャルプランナー兼サラリーマンのFP吉田です。
がん保険のメインの保障と言えば、がん診断給付金です。
がん診断給付金保障は、がん保険に入るのであれば必ずつけておくべき保障です。
ただ、一言で「がん診断給付金」と言っても、その内容はがん保険ごとに違いがあります。
そこで、このページでは、がん診断給付金の保障内容の違いや、どういったがん診断給付金が最も必要性が高いのかをご説明します。
それでは、はじめましょう!
がん診断給付の違いは主に4つのポイントに分けられる
がん診断給付の保障内容
がん診断給付は、がんと診断された時点で給付金が支払われます。
細かい違いはありますが、がんと診断された時点で、100万円等のまとまったお金を受け取ることができます。
そのお金で今後の治療に備えたり、生活費に充てたりするようになります。
(金額は100~300万円の範囲などで設定できます。)
がん診断給付は、がん保険の最もメインとなる保障であるため、ほぼすべてのがん保険についています。
ただ、主契約であるか特約保障であるかはがん保険ごとに異なります。
そして、がん診断給付は、がん保険ごとに保障される内容に結構違いがあります。
違いが出るポイントを抜き出してみてると、主に次の4つとなっています。
がん診断給付で違いが出るポイント
- 給付条件
- 2回目の給付までの期間
- 通算給付回数
- 対象となるがん
ポイント1給付条件
2回目以降の給付の条件に違いがある
がん診断給付の保障内容のポイント1つ目は、給付条件です。
がん診断給付では、ほとんどのもので保険の保障期間を通して複数回の給付を受けることができます。
(中には、給付が1回だけのものもあります。)
ただ、複数回給付が受けられるものでも、1回目と2回目以降の給付条件に違いがあります。
1回目の給付条件
1回目の給付条件は、ほぼすべてのがん保険で「がんと診断確定した時点」です。
医師によって、「がん」だと診断された時点で給付金の支払い対象となります。
ただ、中にはごく一部、がんと診断されたあと入院した時点が条件となるものもあります。
2回目以降の給付条件
2回目以降の給付は、1回目の給付から1~2年経過した後に受けることができます。
ただ2回目以降の給付は、給付が行われる条件ががん保険によって異なります。
- 治療を行っている(治療のために入院・通院をしたとき)
- 再発・移転・別のがんの診断確定があったとき
- がんの治療を目的として入院を開始したとき
この中だと、一番上の「治療を行っている」という条件が最も優しい条件となります。
入院または通院が条件となることで、2回目以降でも診断確定に関係なく治療を受けた時点で給付を受けることができます。
(「通院」が含まれている点がポイントです。)
残りの2つについては、「再発・移転・別のがんの診断確定」の方が、ややは条件としては優しいといえます。
(「入院開始」が条件だと、再発の診断を受けても入院しないと給付金が支払われないため。)
ポイント22回目の給付までの期間
1年に1回給付を受けられるものと、2年に1回のものがある
ポイントの2つ目は、2回目の給付までの待期期間です。
がん診断給付は、保険期間を通して複数回受け取ることができるものが主流です。
ただ、複数回受け取ることができる場合でも、次回受け取りまでの待期期間が設けられています。
現在発売されているがん保険で多いのは次の2種類です。
- 1年に1回受取りができる
- 2年に1回受取りができる
この2つであれば、当然「1年に1回」の方が条件としては良くなります。
以前は、1年に1回の受け取りはごく一部のがん保険に限られていましたが、今では採用しているがん保険も増えてきました。
なお、損害保険会社が出している一部のがん保険では、3年に1回のものもあります。
ポイント3通算給付回数
通算5回か通算無制限のどちらかが多い
ポイントの3つ目は、保険期間全体での給付回数です。
(給付が1回のみであるものは除きます。)
がん診断給付を複数回受取りができるがん保険でも、通算受取り可能回数が決められている場合があります。
現在発売されているがん保険で多いのは次の2つのどちらかです。
- 通算無制限
- 通算5回まで
この2つなら、通算無制限の方が条件としては良くなります。
ただし、実際に5回以上受け取ることがあるかと言われると、やや疑問ではあります。
もし、気になるがん保険の保険料を比較して通算5回の方が圧倒的に安いような場合には、通算5回のものも選択肢に入れても良いでしょう。
ポイント4対象となるがん
上皮内新生物(初期がん)の対象の有無
ポイントの4つ目は、対象となるがんの種類についてです。
がんには「悪性新生物」と「上皮内新生物」の2つがあります。
このうち、悪性新生物はいわゆる「がん」であり、上皮内新生物は「初期のがん」となっています。
ポイントは、上皮内新生物の診断時でも悪性新生物の場合と同じ保障を受けられるかどうかです。
がん保険によって、上皮内新生物の保障のされ方はさまざまな違いがあります。
- 悪性新生物と同額の給付額となるもの
- 悪性新生物の半分の給付額となるもの
- 悪性新生物の10%の給付額
- 上皮内新生物は保障対象外のもの
上皮内新生物であってもがんはがんです。
そのため、悪性新生物と同額の保障となるものか、せめて半分の給付が受けられるものを選んでおきたいです。
がん診断給付金はがん治療以外の費用に事前に備えることができる
がんは治療費以外にもお金がかかる
がん診断給付金の優れいている点は、がんと診断された時点でまとまったお金を受け取ることができるということです。
入院給付、通院給付、治療給付などは、入院や通院、治療を受けた後でなければ給付を受けることができません。
ただ、がん診断給付だけは、そうした治療を受ける前に受け取ることができます。
何故、事前に受け取ることができるのが良いのかというと、がんの治療には、治療費以外にもさまざまな費用が生じるからです。
がん診断給付金があれば、そうした費用が生じる際でも、金銭面での不安が格段に少なくなります。
治療費以外にどんな費用が生じる?
がんの治療費以外に生じる費用としては、通院のための交通費や家族の宿泊費、定期検査費用などがあります。
実際に、がん患者の方に行ったアンケートによると、治療費以外に生じた費用の上位5つと平均額は次のようになっています。
がん治療以外にかかった費用
順位 | 内容 | かかった人の割合 |
---|---|---|
1位 | 治療の際の交通・宿泊費 | 57% |
2位 | 定期検査費用 | 54% |
3位 | 健康食品代・サプリメント費用 | 39% |
4位 | 外食費 | 27% |
5位 | ウィッグ(かつら)購入費 | 26% |
また、治療費以外の年間費用の平均は約54.5万円となっています。
がん治療費以外の年間の費用額
【出典】ニッセンライフ/NPO法人がん患者団体支援機構『がん患者アンケート』
金銭面の負担軽減効果はとても大きい
こうしたがん診断給付による金銭面の負担軽減効果は思っているよりも大きいです。
私は、父をがんで亡くしましたが、がん診断給付金にはかなり救われました。
家族ががんになってしまったという精神的ショックに、金銭面での不安が重なると負担は相当なものになります。
がん診断給付は、その不安を大きく緩和してくれます。
がん診断給付にはそんな効果もあります。
そのため、がん診断給付は非常に重要な保障なのです。
いざ、がんになった時に備えて必ず必要な保障
がん診断給付は必ずつけておきたい
ここまでご紹介したとおり、がん診断給付は、がんと診断された時点でまとまったお金を受け取ることができます。
また、本人や家族の精神的負担を緩和してくれるという効果もあります。
そのため、がん診断給付は必ずつけておきたい保障です。
がん保険について書いている本や他のサイトでは、「治療給付があればがん診断給付が無くても十分」と書いているものもあるかもしれません。
もちろん、それも1つの考え方だと思います。
ただ、実際に家族ががんになってみると、最初にまとまったお金を受け取ることができるという安心感はものすごく大きいです。
そのため、私は自分の体験から、がん診断給付はぜひ付けておいてほしい保障だと強くお伝えします。
ただ、このページでご説明したとおり、がん診断給付にもさまざまな内容のものがあります。
付けるにあたっては、ぜひしっかりと内容を吟味して、できるだけ条件が良いものを選んでくださいね。
治療の変化に合わせたがん保険選びのポイント!
がん保険の保障は何を重視すれば良い?
がん保険は「診断給付・入院給付・治療給付」のどれをメインの保障とするかによって3つのタイプがあります。メインの保障として何を重視すれば良いのか説明します。