がん保険の通院保障の必要性とは?統計データを基に紹介します

がん保険の通院保障は必要?

悩む男性

 

がん保険の保障を見ていたんですが、通院保障って必要なんでしょうか?

 

がん保険によって、基本保障になっていたり、特約保障になっていたりして本当に必要な保障なのかどうかが分かりません。


 

こんにちは!
ファイナンシャルプランナー兼サラリーマンのFP吉田です。

 

生命保険にどんな保障を付けるべきかは迷ってしまいますね。
特に、がん保険や医療保険は付けることができる特約が多くてなおさらです。

 

そんながん保険のさまざまな保障の1つ「通院保障」ですが、これはぜひつけておきたい保障です。
通院保障は、今度更に必要になってくるであろう重要な保障です。

 

このページでは、がん保険の通院保障の内容や、その必要性を分かりやすくご紹介します。
では、始めましょう!

 

がん保険の通院保障の保障内容とは?

通院時の診察

がん保険の通院保障とは、がん治療を目的として通院したときに給付金を受け取ることができる保障です。

 

放射線治療や抗がん剤治療を目的とした通院や、医師の診察を受けるための通院が対象となります。
通院1日に対して、5,000円~10,000円程度の給付金を受け取ることができます。
(さらに高額な給付金額を設定できる場合もあります。)

 

入院給付の通院版と思っていただければ分かりやすいかなと思います。

がん保険で「通院保障」の必要性が高まっているのは何故?

がんは通院治療が主流となってきている

通院患者数の説明

続いては、がん保険で通院保障が重要であるという理由をご説明します。

 

2012年~2013年頃までは、がん保険と言えば「入院保障」が基本保障のメインとなっていました。
「通院保障」はあっても特約保障という位置づけでした。
しかし、最近のがん保険では、入院保障が特約になったり、通院保障が基本保障になったりしてきました。

 

そうなったのは、がん治療が入院主体から、通院主体に変わってきているからです。

 

入院患者数と通院患者数の移り変わり

がんで通院治療が増えているのは、がん治療のための入院患者数と通院患者数を比較してみるとよく分かります。

 

厚生労働省の「患者調査」で、疾病別の入院患者数と通院患者数が公表されています。
そのうち、いわゆるがんである「悪性新生物」の患者数の移り変わりについて、ここ6回分の統計データを比較してみると次のようになります。

 

がん治療患者の入院・通院受療率の違い
疾病分類 平成11年 平成14年 平成17年 平成20年 平成23年 平成26年
入院患者数 136,800人 139,400人 144,900人 141,400人 134,800人 129,400人
外来(通院)患者数 119,900人 119,700人 140,100人 156,400人 163,500人 171,400人

出典:厚生労働省『患者調査(平成17年~平成26年)

 

以上をグラフにしてみると、一目瞭然です。
平成20年調査から、通院患者数が入院患者数を上回っています。

がんの通院治療と入院治療者数推移

 

このように、がん治療においては、通院治療による割合が高まっています。

 

通院治療が長引くとお金がかかる

通院治療を受ける際には、治療費に加え、交通費も必要となってきます。
長期にわたり通院治療を続ける場合には、その費用もバカになりません。

 

また、通院治療を受けている間働くことができなければ、収入も減少してしまいます。
今までのがん保険では、入院期間が長かったため入院給付が休業保障も兼ねていました。
しかし、入院期間が短縮され通院治療が主体となってきている現在では、入院給付だけでは満足な給付を受けることができません。

 

今後、通院による治療の割合が高まっていく流れは変わることは無いでしょう。
そのため、通院治療費+休業保障として通院保障の必要性は年々高まっています。

医療保険の通院保障とは保障日数等が違う場合もある

医療保険に比べると、がん保険の通院保障の方が手厚い

医師

ここまで、がん保険の通院保障を説明してきましたが、通院保障は医療保険にも存在します。
ただ、この2つの通院保障は全く同じではありません。

 

医療保険の通院保障は、がんに限らず全ての傷病のための通院を保障します。
そのため、言葉は悪いですが医療保険の通院保障は「広く浅く」な内容となっています。

 

対して、がん保険の通院保障は、がん治療に特化しており「狭く深く」な内容となっています。
具体的にそれぞれの保障内容の違いを比べてみると次のような違いがあります。

 

医療保険とがん保険の通院保障の比較

保障内容 医療保険の通院保障 がん保険の通院保障
保障対象 全ての傷病 がんのみ
保障対象期間 「退院後の通院」が多い 「入院前・入院後の通院」
「入院の有無を問わない通院」
が多い
保障日数 30日~60日間が多い 120日~1年間が多い
最長だと5年間や無制限もある

 

一部の医療保険では、がんによる通院を手厚く保障するものもあります。
ただ、そうでない医療保険の通院保障では、がん治療のための通院に対応しきれない場合もありますのでご注意ください。

医療保険の入院保障があるなら、がん保険では「通院保障」を重視したい

ここまでご説明したとおり、がん保険では「通院保障」の必要性が高まっています。

 

とは言え、がん保険での入院保障が必要ないというわけではありません。
最低限、入院時の保障も持っておく必要があります。

 

ただ、「がん保険の入院保障の必要性」でもご説明させていただいていますが、すでに医療保険に入っている場合には、医療保険の入院保障があれば、がん保険の入院保障を兼ねることができます。
その場合には、がん保険では通院保障を重視して保障を選択していくと良いでしょう。

 

ぜひ、がん保険を検討する場合には、通院保障にも注目して保障内容を比べてみてくださいね。

 





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