県民共済と医療保険ならどちらが良い?
入院時の保険に入りたくて検討しているんですが、迷っています。
安くて良いと評判の県民共済が良いかなと思っているんですが、保険会社の営業さんに医療保険もすすめられています。
県民共済と保険会社の医療保険だったらどっちに入った方が良いんでしょうか?
こんにちは!
ファイナンシャルプランナー兼サラリーマンのFP吉田です。
就職して少しすると、保険のことを考える時期が来ますよね。
その際、選択肢に上がるものの1つが「都道府県民共済」(以下「県民共済」)です。
県民共済が選択肢に上がる理由は大きく分けると2つあります。
- 保険料が安いから
- 親が子供のころから継続して払っていてくれたから
私の場合は後者だったのですが、このどちらかという方が多いのではないでしょうか。
結論から言うと、県民共済と医療保険であれば、医療保険を選んでおきたいです。
実際、私は、もともと入っていた県民共済から、医療保険へと変更しています。
もちろんそれには、しっかりとした理由があります。
このページでは、県民共済にすべきか、それとも医療保険にすべきかで悩む方に向けて、私の実体験を踏まえながらなぜ医療保険を選ぶべきなのかをご説明します。
それでは、始めます!
県民共済とはどんな保険か説明します
そもそも県民共済とは
県民共済とは、厚生労働省から認可を受けた全国生協連という団体が行っている共済事業です。
この全国生協連が、都道府県から認可を受けた、各県の生協と提携して事業を行っています。
大元の団体は全国生協連ですが、加入者は各県の生協が実施する共済事業に参加します。
そして、各県の生協に掛け金を支払い、保険金の給付等を受けるようになります。
ちなみに、各県の生協は39団体となっており、生協がない県が8県あります。
そのため、以下の8県では県民共済の取り扱いがありません。
- 福井県
- 山梨県
- 島根県
- 徳島県
- 高知県
- 愛媛県
- 佐賀県
- 沖縄県
なお、以下で県民共済の保障内容を紹介する際には、都民共済の保障内容を用います。
県民共済の保障内容とは
県民共済には大きく2つの保障プランがあります。
- 総合保障型
- 入院保障型
これらはどちらも、医療保障と死亡保障が付いています。
それぞれの型の違いは、どの保障に力を入れているかという点です。
総合保障型は、医療保障も死亡保障もどちらもバランスよく保障があります。
入院保障型は、死亡保障を減らし、医療保障に特化しています。
総合保障型と医療保障型の保障内容の違い
保障のタイプ | 総合保障型 | 入院保障型 |
---|---|---|
入院保障 | 4,500~5,000円 | 10,000円 |
通院保障 | 1,500円 | 1,500円 |
手術保障 | 無し | 2.5、5、10万円 |
先進医療 | 無し | 1~150万円 |
後遺障害 | 15.2~600万円 | 無し |
死亡保障 | 400~1,000万円 | 10万円 |
掛金 | 月2,000円 | 月2,000円 |
※それぞれ18~60歳までの保障内容
それぞれのタイプは、以上のように保障内容に違いがあります。
以下では、医療保険の保障内容と比較を行っていきます。
比較には、より医療保険に近い「入院保障型」を用います。
県民共済を医療保険と徹底的に比べてみよう
それでは、保障内容等を比べてみます。
比較に用いるのは、保障内容のバランスが良い、メットライフ生命の『Flexi S(フレキシィ S)』です。
こちらは、私も入っている医療保険です。
フレキシィ Sは、保険料も安く、保障のバランスがかなり充実しています。
そのため、比較に用いるのにはもってこいです。
また、下記の表では、優れていると考えられる内容のセルには色を付けています。
各項目の比較
保険名 | 県民共済 入院保障2型 |
メットライフ生命 フレキシィ S |
---|---|---|
保険期間 | 1年定期 | 終身 |
入院給付 | 10,000円 | 5,000円 |
入院給付日数 | 1日目~184日目 | 1日目~60日目 |
通院給付 | 1,500円 | 3,000円 |
通院給付日数 | 14日目~90日目 | 1日目~30日目 |
手術給付 | 入院・通院:2.5、5、10万円 | 入院:10万円、通院:2.5万円 |
死亡給付 | 10万円 | 無し |
先進医療 | 1~150万円 | 1~2000万円 + 一時金5万円 |
付帯サービス | 無し | セカンドオピニオン(T-PEC) |
月保険料 | 2,000円 | 1,823円 |
【Flexiの保険料算出条件】 30歳男性 終身払い 先進医療、通院保障特約付加
以上のようになっています。
フレキシィ Sの方が、保障が勝っている数が多いといえます。
ただ、県民共済は入院給付が10,000円で死亡保障もあるため、こちらの方が保障の手厚さは上かなと感じます。
であれば、県民共済でいいんじゃないかと思いがちですが、実はそうではありません。
一生涯の医療保障がほしい場合には、県民共済ではNGなんです。
県民共済には、絶対に気を付けておきたい注意点があります!
知らないままだと怖い!県民共済の最大の注意点!
県民共済は終身保険だと思っていませんか?
県民共済の最大の注意点とは、65歳以降は保障が一気に減少するという点です。
60歳から保障内容が減少し始め、以降おおむね5年ごとに保障内容が少なくなっていってしまいます。
また更に、終身保険ではないため更新できるのも84歳までとなっています。
85歳以降は更新できないため、86歳からは県民共済に加入し続けることはできません。
実際に保障内容の移り変わりをご紹介します。
県民共済の年齢ごとの保障内容の移り変わり
保障プラン | 入院保障2型 | 熟年入院2型 | |||
---|---|---|---|---|---|
対象年齢 | 20~60歳 | 60~65歳 | 65~70歳 | 70~80歳 | 80~85歳 |
入院保障 | 10,000円 | 7,500円 | 5,000円 | 3,500円 | 2,000円 |
通院保障 | 1,500円 | 1,500円 | 保障無し | 保障無し | 保障無し |
手術保障 | 2.5~10万円 | 1、2、4万円 | 1、2、4万円 | 1、2、4万円 | 保障無し |
先進医療 | 1~150万円 | 1~75万円 | 1~75万円 | 1~75万円 | 保障無し |
死亡保障 | 10万円 | 5万円 | 5万円 | 5万円 | 3万円 |
掛金 | 月2,000円 | 月2,000円 | 月2,000円 | 月2,000円 | 月2,000円 |
このように、65歳以降は「熟年型」に移行し、保障が大きく減ってしまいます。
80歳以降は、保険料が変わらないのに保障はほぼ無いに等しいです。
更に、85歳以降は保障を受けることはできなくなります。
すなわち、県民共済は一生涯の医療保険ではないということです。
この点を勘違いして加入して、老後になってしまうとかなり大変なことになります。
老後の医療保険は現役世代のうちに確保しないと後で大変…
老後に改めて医療保険に入ろうとすると大変
年を重ねてから、新しく医療保険に入ろうと思うと結構難しいです。
理由は、健康状態で加入審査にひっかかってしまうことが多くなってしまうからです。
加入審査をクリアできなければ、保険に入ることはできません。
うまく条件が合えば、持病があっても入りやすい「引受基準緩和型保険」というものに入れる場合もあります。
しかし、それでも、過去2年以内に病気にかかっていないこと、等の条件があります。
「持病があっても入りやすい=誰でも入れる」ではないのです。
老後に保険に入れないなら、現役のうちに入っておくしかない
年を重ねてから医療保険に入るのが難しければ、どうすれば良いかというと簡単です。
現役世代のうちに、県民共済から終身タイプの医療保険に乗り換えてしまえば良いのです。
終身タイプの医療保険は、高いと思われがちですがかなり安いです。
概ね以下の金額から加入することができます。
- 30歳:1,600円前後
- 40歳:2,100円前後
- 50歳:3,200円前後
40歳までなら、県民共済とほぼ同じ保険料で一生涯の保険に入ることができます。
実際に私は県民共済だけでは入院への備えは万全ではないと知り、終身タイプの医療保険に乗り換えました。
結果的に、県民共済よりも安い保険料で終身タイプの医療保険に加入できました。
この時見直したおかげで、今は入院への備えには安心感があります。
県民共済のみに加入している方はぜひ見直しの検討を
ここまでご紹介してきたとおり、県民共済だけでは老後の医療保障は万全ではありません。
そのため、もし入院への備えが県民共済のみである場合には、ぜひ見直しをおすすめします。
保険の見直しというとどうしても腰が重くなってしまいますが、早めに動くことで、比較的安い保険料で一生安心できる医療保険に乗り換えることができます。
ぜひ、見直しが間に合う内に一度検討だけでもしてみてください。
きっと、長い間安心することができる入院への備えが得られるはずです。
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