似ている2つの保険は何が違う?
就業不能保険って、働けない間の収入を保障してくれる保険なんですよね?
でも、「収入保障保険」と言う保険もあるんですが、それも収入を保障してくれますよね?
就業不能保険と収入保障保険は何が違うんでしょうか?
こんにちは!
ファイナンシャルプランナー兼サラリーマンのFP吉田です。
数ある保険の中でも、ちょっと違いが分かりづらいのが「就業不能保険」と「収入保障保険」です。
どちらも、収入を保障してくれる保険であるため、同じ保険のように思えてきます。
でも実は、これらは明確に別々の保険です。
それぞれが保障しているものは全く異なります。
このページでは、具体的にどういった点で違いがあるのかを図を使ってご紹介していきます。
なお、他にも「所得補償保険」というものもあるのですが、こちらは「就業不能保険」とほぼ同じです。
これらの関係性についてもあわせてご紹介していきます。
2つの保険は保障しているものが全く異なる
就業不能保険と収入保障保険の最も大きな違いは、保障している対象です。
次のとおり、「どんな状態」を保障しているかが異なります。
- 就業不能保険:加入者の働けない状態(生存中)
- 収入保障保険:加入者の死亡時
このような違いがあります。
また、このような違いから「誰の収入を保障しているのか」という点でも違いが出ています。
2つの保険の違い就業不能保険の場合
就業不能保険が保障しているのは、加入者が働けない状態になった場合です。
ここで大切なのは「加入者は生きている」と言うことです。
そのため、就業不能保険の収入保障は、加入者自身の収入を保障していることになります。
2つの保険の違い収入保障保険の場合
収入保障保険が保障しているのは、加入者が死亡した場合です。
(正確には、死亡時+高度障害状態です)
収入保障保険の死亡保険金が支払われる場合、加入者は死亡しています。
死亡保険金は保険金受取人に指定されている遺族が受け取ります。
そのため、収入保障保険は遺族の収入を保障していることになります。
2つの保険がミックスされたものもある
ご紹介したように、就業不能保険と収入保障保険は、保障対象が全く異なる別の保険です。
ただ、もしかしたら、就業不能状態になった方が死亡してしまうこともあるかもしれません。
このように、それぞれの保険が保障する状態には時系列として連続性がある場合があります。
そこで、就業不能保険と収入保障保険をミックスした保険も登場しています。
1つの保険で、働けない状態では就業不能保障が受けられ、その後万一死亡してしまった場合には死亡保障が受けられます。
そのため、万一の収入減少に幅広く備えることができます。
こうした保険は、収入保障保険にオプションとして就業不能保障を付ける形になります。
ハイブリッドな仕様となるため保険料はやや高めとなりますが、それぞれの保険に1つずつ加入するよりは安くなることが多いです。
「所得補償保険」との違い
ここからは少し余談ですが、収入保障保険と名前が似ているものに「所得補償保険」があります。
所得補償保険は、就業不能保険とほとんど同じ内容の保険です。
加入者の働けない状態を保障します。
最も大きな違いは、取り扱う保険会社です。
それぞれ次のように取り扱う保険会社が異なります。
- 就業不能保険 : 生命保険会社
- 所得補償保険 : 損害保険会社
就業不能保険が生命保険会社の保険であるのに対し、所得補償保険は損害保険会社が扱う保険です。
保障内容はほとんど同じなのですが、ちょっと紛らわしいため混同しないようご注意ください。
必要な保障に応じて間違わずに選びたい
ご紹介してきたように、就業不能保険と収入保障保険は別物の保険です。
そのため、選ぶ際にはご自分がどんな保障を必要としているかをちゃんとハッキリとさせたうえで選ぶことが大切です。
死亡時の遺族のための保障がほしいなら「収入保障保険」
働けなくなった場合の生活保障がほしいなら「就業不能保険」
ぜひ、それぞれ間違わずに必要なものを選んでみてくださいね。