年末調整や確定申告で重要な「生命保険料控除証明書」ではここを要確認!

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生命保険料控除証明書ではここを見ておこう

ポイントを説明するFP吉田

 

年末調整や確定申告で生命保険料控除を受けるために必要になるのが、保険会社が発行した保険料控除証明書です。

 

使用するのは年末調整や確定申告の時期ですが、毎年10月くらいに届くためうっかりすると失くしてしまいそうです。
ただ、控除を受けるために必須となる非常に重要な書類です。

 

このページでは、そんな保険料控除証明書について、届いたら確認しておきたいポイントをご紹介します。


 

控除証明書はいつ届く?

生命保険料控除が受けられる生命保険に加入している場合、生命保険会社からその年に支払った保険料が記載された「控除証明書」が届きます。

 

控除証明書が届く時期は、おおむねその年の9月~11月の間となります。
公務員の方等、早いところだと年末調整は11月頭くらいを目途に行われるため、送付が遅い保険会社だと手続きがギリギリになる可能性があります。
(今までの私の経験だと、かんぽ生命は11月ギリギリの少し遅めなことが多いです。)

 

証明書の様式は保険会社によって異なりますが、封筒で届いたり、見開きタイプのハガキで届いたりします。

 

年末調整や確定申告では、この控除証明書を添付して控除を受けることになります。
生命保険とも関わりが深い「年末調整・確定申告」

 

再発行は時間がかかるため無くさないように注意

再発行を依頼する女性

私の職場でどれだけ注意喚起しても毎年必ずいるのが、証明書を紛失してしまう方です。

 

証明書を紛失してしまった場合、生命保険会社に再発行を依頼します。
再発行はよほどのことがない限り受け付けてもらえますが、申請をしてから手元に届くまで2週間程度時間がかかる場合があります。

 

そのため、場合によっては年末調整の申告期間内に再発行が間に合わない場合もあります。
その場合には、残念ながら本人に確定申告をしてもらう必要があります。
そうならないよう、控除証明書の紛失にはくれぐれもご注意ください。

 

年払いの場合は注意が必要

ちょっと注意が必要なのは、保険料を年払いしている場合です。
毎年何月に保険料を年払いしているかによって、控除証明書が届く時期が異なります。

 

  1. 1月~9月に支払い:10月をめどに届く場合が多い
  2. 10月~12月に支払い:翌年の2月をめどに届く場合が多い

 

1月から9月の間に生命保険料を年払いしている場合には、10月くらいを目途に控除証明書が届きます。
そのため、この場合は年末調整に間に合います。

 

問題は、10月から12月の間で支払っている場合です。
この場合には、証明書の発行が翌年の2月くらいになるため、年末調整には間に合いません。
(証明書を後から提出したり、年明けに「再年末調整」という処理を行うという方法もありますが、恐らく会社の総務担当からは嫌がられます…。)

 

証明書が年末調整に間に合わない場合に生命保険料控除を受けるためには、確定申告をする必要があります。

保険料控除証明書の例

実際の保険料控除証明書の例をご紹介します。
10月現在でいろいろと届き始めてきたので、届いたものから随時紹介していきます。

 

アフラックの控除証明書

まず、アフラックの控除証明書です。
2017年分は10月4日に届きました。

アフラックの保険料控除証明書

 

葉書サイズとなっており、開くことで内側から控除証明書が出てきます。
控除証明書は右側に説明が書かれていますが、そこは切り取って左側のみを添付するようになります。

アフラックの保険料控除証明書の証明書欄

 

明治安田生命の控除証明書

続いては、明治安田生命の控除証明書です。
2017年分は10月5日に届きました。
こちらは学資保険で加入している「つみたて学資」の分です。

明治安田生命の保険料控除証明書

 

アフラックと同様に葉書サイズです。
葉書を開くと証明欄の右側に説明がありますが、そちらは切り取って提出します。

 

印刷面は貼り合わせ用のノリが付いている感じでツルっとしているんですが、このタイプは申告書に糊付けしづらいので少し苦手です。
(会社の従業員の申告書をチェックしていても、たまにはがれてしまっていることがあります。)

明治安田生命の保険料控除証明書の証明欄

 

メットライフ生命の控除証明書

メットライフ生命の控除証明書です。
2017年の分は10月6日に届きました。
こちらは、医療保険で加入している分です。(フレキシィSの前身の保険です。)

 

証明書そのものはこのように封書で届きました。

メットライフ生命の保険料控除証明書

 

証明欄はA4サイズの紙に2件分まで印刷されています。
私は加入しているのは医療保険だけなのでこれを切り取って年末調整の申告書に添付するようになります。

メットライフ生命の保険料控除証明書の証明欄

 

東京海上日動あんしん生命の控除証明書

東京海上日動あんしん生命の控除証明書です。
2017年の分は10月13日に届きました。
こちらは、就業不能保険で加入している「家計保障的保険NEO 就業不能保障プラン」のものです。
(名前が長いですね…。)

 

証明書は葉書タイプで届きました。

東京海上日動あんしん生命の保険料控除証明書

 

証明欄は葉書の内側に印刷されています。
1枚の証明書で4件まで記載されています。
(ただし、複数加入していても住所変更がされていないと別々で届きます。)

東京海上日動あんしん生命の保険料控除証明書の証明欄

 

なお、私が加入している就業不能保険では、保障内容に収入保障(医療保障)と死亡保障があります。
そのため、、証明欄ではそれぞれ分の保険料が分けて記載されています。
(「一般」が死亡保障分、「介護」が収入保障分です。)

東京海上日動あんしん生命の就業不能保険の記載

 

損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の控除証明書

損保ジャパン日本興亜ひまわり名の控除証明書です。
対象の保険は、私が住宅ローンの団体信用生命保険の代わりに加入している「家族のお守り」です。

 

こちらは、2017年分は10月25日に届きました。
私が加入している生命保険の中では、遅い方です。
公務員の方だと年末調整は10月20日ころから開始されることが多いはずなので、もしかしたら提出期限ぎりぎりになっている方もいるかもしれませんね。

 

証明書は葉書タイプになっています。

損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の保険料控除証明書

 

控除額の証明欄は葉書の内側にあります。
ひまわり生命では、1枚につき1件の控除証明となっています。

損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の控除証明欄

控除証明書で見ておきたいポイント

見ておきたいポイント1新制度・旧制度のいずれか

1つ目は、保険料控除制度の新制度と旧制度のどちらに該当しているかです。

 

生命保険料控除制度は、契約日が平成24年1月1日以降か、平成23年12月31日以前かで新制度と旧制度に分かれました。
新制度と旧制度では、保険料控除を計算する際の計算式に違いがあります。

 

また、受けられる控除額の上限にも違いがあります。
そのため、新・旧どちらの制度に該当するかは重要なポイントです。

 

年末調整の用紙を見ても、新・旧のどちらの制度に該当するかで記入する欄が異なっています。

保険料控除の新・旧の記入欄

 

計算をする上で、新・旧のどちらに該当するかで計算方法が変わってきます。
そのため、どちらの区分に該当しているかはしっかりと確認しておく必要があります。

 

見ておきたいポイント2「一般」か「介護医療」か

続いては、保険料控除の区分が「一般生命保険料控除」か、「介護医療保険料控除」なのかという点です。
こちらは、新制度の保険料控除が適用になる場合に関係してきます。

 

個人年金保険以外の生命保険は、基本的に次の2つのいずれかに区分されます。

  1. 一般生命保険料控除
  2. 介護医療保険料控除

このどちらに該当するかで、保険料控除の計算を記入する欄が変わります。
この点は結構間違えて記入してしまう方が多いため、注意が必要です。

 

なお、それぞれの保険料控除には次のような種類の保険が該当します。

  • 一般生命保険料控除:死亡保険、学資保険
  • 介護医療保険料控除:医療保険、がん保険、女性保険、民間介護保険

 

もし、死亡保険に特約で医療保障が付いているような場合には、1つの保険に「一般」と「介護医療」が混在していることになります。
その場合には、証明書に保険料の内訳の金額が記載されているため、それぞれを該当の項目に記載するようになります。

 

見ておきたいポイント3保険料の総額

最後のポイントが、保険料の総額です。

 

控除証明書には、支払った保険料の金額が2つ記載されています。

  1. 証明書発行時点までの支払額
  2. 12月31日時点までの支払い予定額

 

年末調整で記入する際には、②の「12月31日時点までの支払い予定額」を用います。
うっかり、①の証明書発行時点までの支払額を記入してしまうと、受けられる控除額が少なくなってしまいます。
そのため、しっかりと②の12月31日時点までのものを記入するようにしましょう。

新制度の場合は金額に関わらず証明書の添付が必須!

提出窓口

生命保険料控除欄の記載が終わったら、あとは控除証明書を添付して提出すれば終了です。
12月か1月のお給料で、所得税の清算が行われます。

 

なお、年末調整を受け付けている側の私から見て特に多いのが、控除証明書の添付漏れです。
添付がないと控除が認められないため、必ず忘れずに添付する必要があります。

 

控除証明書の添付は、新制度に該当する場合は必ず添付が必要になります。

 

旧制度のみ一部例外有り

旧制度の場合には、1契約の年間の支払保険料額が9,000円以下の場合には控除証明書の添付が省略できます。
この添付の省略についてはあまり知られていませんが、国税庁のサイトでもちゃんと記載されています。

 

ただ、添付の省略は新制度の場合には対象外です。
あくまで旧制度限定の話なのでご注意ください。

 

所得税と住民税それぞれで控除が受けられる

以上のように、生命保険料控除の申告を行うことで次の2つの税金の還付や減税が受けられます。

  1. 所得税
  2. 住民税

 

1回あたりで受けられる減税額はそこまで大きくはありませんが、これが長年積み重なることでそこそこ良い金額になります。
そのため、控除が受けられる場合には漏れなく全て申告してください。

 

なお、所得税と住民税それぞれの生命保険料控除については以下のページでご説明しています。
あわせてご覧いただければ幸いです。

 

所得税の生命保険料控除とは?新・旧制度の仕組みや注意点を紹介!

 

住民税の生命保険料控除とは?新・旧制度の違いや計算例を紹介!